花と、香りと、食と。
私自身が助けられてきたものを、この場所で。

はじめまして。
ゆるりの杜を営む、
ゆみこです。
花や植物、香り、発酵。
今の私の暮らしには、いつも自然からいただくものがあります。
けれど、最初からこうした暮らしをしていたわけでも、誰かに何かを伝える仕事をしたいと思っていたわけでもありません。
振り返ってみると、その時々で自分や家族が立ち止まったとき、私のそばにあったものが、花であり、香りであり、食でした。
私自身が助けられ、支えられてきたものを、今度はこの場所で誰かと分かち合えたら。
そんな思いも、ゆるりの杜には込めています。
がんばることが、当たり前だった頃
もともと私の仕事は福祉の分野。
対人カウンセリングや、現場でのリハビリに携わっていました。
結婚して子どもが生まれてからは子育てを優先し、自分がやりたいことはいつも二の次。
人に頼ることが苦手で、「いい母親でいなくては」「いい妻でいなくては」と、知らず知らずのうちに自分でつくった理想に合わせようと、一人でがんばっていました。
好きだったはずのフラワーアレンジも、いつしか「きれいな形にしなくては」と、美しさや正解を求める窮屈なものになっていました。
そんな毎日を続けていたある日、台所に立っても料理の手順がわからない。言葉もうまく出てこない。
心が、ふっと止まってしまったような感覚でした。
花にふれて、自分に戻る。
そんな頃に出会ったのが、フラワーセラピーでした。
きれいな作品をつくるためではなく、そのとき心が動いた花を選び、自由に表現していく。
花は何も言わないけれど、ただそこにいてくれる。
少しずつ花に心をひらき、一緒に学ぶ仲間にも出会いました。
不思議なことに、花を手に取ってから挿すまでの時間も、だんだん短くなっていきました。
「私はこれが好き」
「今日は、この花を選びたい」
そんな小さな選択を重ねるうちに、自分の選択や決断にも少しずつ自信が持てるようになりました。
作品も、大きく、自由に。
そして私自身にも、少しずつ笑顔が戻ってきました。
花にふれることは、自分にふれること。

今の私が花や植物と向き合うとき、その原点はここにあります。
花から香りへ、そして食へ。
花から始まった私の興味は、やがて「香り」へと広がっていきました。
家族の不調と向き合ったことをきっかけに植物の香りについて学び始め、アロマテラピーや身体の仕組みにも興味を持つようになりました。
そして、もうひとつ大きかったのが「食」です。
家族の体調をきっかけに、塩、水、油など、毎日の食事をあらためて考えるようになりました。
食の大切さを意識するようになった頃、
私にはもうひとつ、大きな出会いがありました。
夏風邪をこじらせ、昼も夜も咳が止まらなくなったことがあります。
呼吸器科を受診し、長く薬と付き合っていく必要があると説明され、症状だけでなく、この先への不安も感じていました。
そんなとき、友人から
「高野山のふもとに、いい温泉があるよ。お水を汲みに行かない?」
と声をかけてもらいました。
それが、和歌山県橋本市にある天然温泉「ゆの里」との出会いでした。
ちょうどその頃、自宅で続けていた花教室を移転し、
森羅万象に宿る気「mana」を満たす場所にしたいと、
「studio mana」として活動を始めた2020年。
世界中が大きな変化の中にあった時期でもありました。
ゆの里へ足を運び、水にふれ、自分のからだや暮らしに目を向けるようになったことは、
私にとって「自分を整える」ということを考える大きなきっかけになりました。
水のこと。
食べること。
毎日をどう過ごすかということ。
それまで別々だったものが、少しずつつながっていきました。
そして、日本に古くから伝わる発酵食をつくり、食べるワークショップを企画するようになり、
同じようなことに心を寄せる仲間も少しずつ広がっていきました。
その後は愛知を飛び出し、沖縄・やんばるの「旅の宿 ニライカナイ」で宿の営みにふれ、さらに宮古島へ。
土地と人、神や祈りの文化。
そして、その土地で受け継がれてきた発酵食。
旅を重ねるたびに、
食べることは、暮らすことや土地の文化そのものなのだと感じるようになりました。
発酵をもっと深く知りたいと思うようになったのは、宮古島で暮らしていた頃。
来間島でつくられていた「みき」と出会い、「発酵って、いったい何が起きているんだろう」と興味を持ったことから、発酵料理を学び、発酵ライフアドバイザーPRO.を取得しました。
味噌や甘酒、発酵調味料などのワークショップも、各地で開催するようになりました。
花も、香りも、発酵も。
私にとっては別々のものではありません。
どれも自然の中にあるものにふれながら、自分の心地よさを取り戻していくものなのだと思っています。
そして、ゆるりの杜へ。
私が生まれ育った島田には、いつも自然がありました。
祖母と桑の葉を採りに行き、裏山に登り、茶畑に咲く花や実を採る。
夏休みには自転車で大井川の上流まで出かけて川遊び。
庭の朴葉で柏餅をつくったり、つくしを採って食卓に並べたり。
今思えば、とても豊かな時間の中で育ったのだと思います。
そして、ゆるりの杜となるこの家も、私にとって特別な場所でした。
家の横の川には蛍が舞い、お盆やお正月には親戚が集まる。
みんなで食事を囲んで、畳の上でごろごろする。
父はよく、
「ここに来たら何も考えずに、とにかくゆっくりしてくだよ〜」
と言っていました。
大人になって振り返ってみると、ここはずっと、家族にとって日常から少し離れて、自分に戻れる場所だったのかもしれません。
私自身が、花や香りや食に助けられてきたように。
ここを訪れる誰かにとっても、少し力を抜いて、自分に戻れる場所になれたら。

それが、私がこれからつくっていきたい「ゆるりの杜」です。
心地よいを、ひとつずつ。
今、私が大切にしているのは、
「自分の心地よいを、自分で選ぶこと」
です。
人と調和することはできても、自分を優先することは、今でもちょっと苦手。
だからこそ、自分を大切にして、「私はこれが心地いい」と思えるものを、ひとつずつ選んでいきたいと思っています。
ゆるりの杜に来てくださる方にも、
何かをがんばったり、
誰かと比べたりするのではなく、
自分にとっての「心地よい」を、ひとつ見つけてもらえたら。
そんなふうに思っています。
私を支えてくれる家族。
ここまで、その時々で心が動くほうへ進み、
ときには遠くまで出かけながら、
自分の「やってみたい」を追いかけてきました。
そんな私の背中を、いつも押してくれる夫と、
私にたくさんのことを教えてくれる二人の娘がいます。
自由に動き回る母を見て、
娘たちには「独り身だと思われるんじゃない?」と笑われることもありますが(笑)、
私がこうして歩いてこられたのは、
家族がそれぞれの場所から見守り、支えてくれているから。
ゆるりの杜もまた、
そんな家族との時間や記憶の先につながっている場所です。
プロフィール
ゆみこ
福祉分野で対人カウンセリングやリハビリ業務に携わるかたわら、花や植物を通した活動を続けてきました。
20代からフラワーアレンジを学び、認定教室の運営、講師育成、作品展、地域講座などを経験。その後フラワーセラピーを学び、子どもから高齢者までを対象に、自宅教室・公共施設・出張講座などで活動。花に関わる活動歴は約30年です。

主な資格・活動
- 社会福祉士
- フラワーセラピスト
- AEAJ認定アロマテラピーインストラクター
- 発酵ライフアドバイザーPRO.
- フラワーセラピー・花の講座
- アロマクラフト講座
- 味噌・甘酒・発酵調味料などのワークショップ
- イベント・マルシェ・展示会等の企画、開催
これまで静岡・愛知・沖縄などを中心に、花・香り・発酵にまつわる活動を続けています。
そして、ときどき。
ゆるり隊長 とと丸&てんてん
とと丸(黒猫・♂)と、てんてん(ハチワレ・♂)。
二匹とも、人の手から人の手へ、やさしさのバトンをつないで我が家へやってきた保護猫です。
自分軸で、いつもゆるみっぱなし(笑)。
人が好きで、その場の空気を読んでは、時々そっと寄り添ってくれる。
日々、この二匹から教えてもらうこともたくさんあります。
